2018年2月13日火曜日

世界の起源

(この記事は向風三郎FBタイムラインの2018年2月13日ポストの再録です)

レラマ誌今週号は、こんな感じで大きな女性器デザインの表紙で、8ページの女性器に関する特集記事、題して “Le sexe féminin est fabuleux”(信じがたきかな女性器)。信じがたいほど素晴らしいというのは漠然と知っているのだが、その実体というのはタブーが多すぎて誰にも知られないようにされてきたではないですか。これはノルウェーのまだ31歳と28歳という若い二人の女医さんニーナ・ブロシュマンとエレン・ストッケン=ダールの共著で世界的ベストセラーとなっている(33ヶ国語で翻訳されている。日本語まだですか?)”GLEDEN MED SKJDEN” (2017年1月発表。フランス語訳 “LES JOIES D’EN BAS”(=下の方の悦び)(→表紙写真)は2018年1月刊行、ちなみに英語版のタイトルは “WONDER DOWN UNDER - A USER’S GUIDE TO THE VAGINA”)のフランス発売に合わせての著者インタヴュー込みの紹介記事です。
 
フランス語版は”Tout sur le sexe féminin(女性器のすべて)という副題がついていますが、知らないことがあまりにも多すぎるのは、女性たちや医学界でも事情は同じ。有史以来綿々とこういうものらしいからこういう風に扱って、子供にこのように教えられるべき、というリクツは「男性」識者/「男性」医学者が作ってきたもの。快楽のメカニズムさえ、男がこうなんじゃないの?と考えたものでしょう。女性の性的オーガズムとは膣に陰茎が挿入されなければ得られない、という嘘が暴かれたのは20世紀後半になってからのこと。原理的に女性は受身である、という男性支配原則は何の根拠もない、ということは女性器そのものが証明しているのです。
それからヒーメンという得体の知れない「膜」(!)、一体誰があのような「出血劇」を考え出したのでしょうか? 
男の私が言うと、いろいろとアレですが、タブーを一つ一つ壊していかないと、女も男も「こんなものが性的快楽なのか」の程度で終わってしまうと思うのです。私はこの本読みますよ。女性器のこと好きですが、何も知らないのですから。
なお、この若き女医お二人、「男性器編」も準備しているそう。男性器についても、私たちは何も知らないでしょうに。

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追記(2018年2月14日)

(↓ YouTube) 者の女医さん二人ニーナ・ブロシュマンとエレン・ストッケン=ダールによる、ヒーメン神話の嘘に関するレクチャー。女性のこの部分で性交体験者/未体験者を判断できるという太古からある俗説が医学的根拠がないことを具体的に説明。フラフープにサランラップ張って、それをパンチで破るというイメージ化が笑える(これは俗説のイメージ)。俗説から解き放たれよ。未体験者であるかどうかは女性本人に聞くしかないのだが、その問いに答える・答えないは女性が決めること、という結論、喝釆ものです。


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再追記(2018年2月15日

レラマ記事ですごくいいなぁと思ったこと : 一般向けとは言えこれはぶ厚い「医学書」なので最初はそんなに部数が出るものではなかったし話題にもならなかった。最初の書評は、ノルウェー放送協会のウェブサイト上で、その中で評者ジャーナリストは「あまりの情報の多さに辟易して」「本書は読者たちからあらゆるセックスへの欲望を奪い去ってしまうだろう」という酷いものだった。この批評は即座に大変な数のノルウェー女性たちから大反撃を受けて(たぶん今日日の日本語的表現では)「炎上」してしまうのですよ。ここからこの本のブームは始まったのです。だから著者の二人は今やその火付け役となったジャーナリスト氏に感謝しているほどだ、と。余裕余裕。




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