2016年5月2日月曜日

明日に向かってガブれ!

GaBlé "Jolly Trouble"
ガブレ『ジョリー・トラブル』

降る国ノルマンディーのカーン出身のトリオ。しかし元はというとひとりバンド。ジャケにリラックスして描かれているこのヒゲ面の男。素晴らしいジャケのイラスト。カルソンと汚れたスポーツソックス、3種のアルコール、シロクマの敷物、早くも酩酊して定まらない目、アンバランスな片膝立て...。作者はドイツの女流画家アンゲラ・ダリンガー。このヒゲ面の男の名はマチュー。カーンのボ・ザールに通いながらひとりで音楽を創作していた。これじゃあ引き蘢りだなあ、と自覚して、ある日、自作曲で初のコンサートを開いた。「こんにちは、ガブレです」と名乗った。10曲ほどやるつもりだった。10人ほど聞きに来てくれたが、最後に二人だけが残っていた。それがトマ(同じボ・ザールの学生)とガエル(音楽無縁の女ともだち)だった。これが2004年のこと。この日からガブレは3人組になったのでした。
 12年間でゆっくり自分たちの独自のスタイルを掴んで来た感じ。持ち寄り楽器(クラリネット、サックス、フルート、マリンバ、トランペット、フォークギター、ノイズギター、打楽器、機械、シンセサイザー...)と和声コーラス&人声コラージュなどで、捏ね回し職人芸のサウンド作りと言いましょうか。ローファイ・フォーク、DIYサイケ、エレクトロ・ジャンク....。実験性・前衛性が、楽しけりゃそれでいいんだ、という陽光さんさんの明るさの下に行われているような。
 (↓)『ジョリー・トラブル』ティーザー。
 
 アルバムとしては3枚目。前作は未聴だけれど、レーベル資料やメディア評で、本作はますます音数が増えてシンフォニックになったようなことが書いてある。いやあ、豊富なアイディアと豊富な音で、本当に楽しい。歌詞は英語だけれど、本人たちが歌詞なんかどうでもいいと言っているので、英語人の多いノルマンディー風な余裕の技。分かりやすいアーティー100%の音楽。踊れるし、手拍子打てる。
 因みにこの人たち、都会を離れて「スイス・ノルマンド」 で暮らしているのだそう。こういう余裕って大切だと思いますよ。

<<< トラックリスト >>>
1.  ON PURPOSE
2. MAGIC GIFT
3. TROPICOOL
4. HOW LONG
5. PORTI
6. WAKE UP
7. MARVOOF
8. VIRGULE
9. YOUNGSTERS
10. THINGING
11. DECAY SUSTAIN
12. VISION
13. TENGO

GaBlé "Jolly Trouble"
ICI D'AILLEURS CD/LP IDA117
フランスでのリリース : 2016年4月29日

カストール爺の採点:★★★⭐⭐

オフィシャルサイト:http://www.gableboulga.com/

(↓) ガブレ "TROPICOOL" クリップ


(↓)ガブレ、2015年レンヌでのライヴ(フルコンサート動画)

 

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