2014年6月10日火曜日

アメリー・アメロー

アメリー・レ・クレヨン『メリ・メロ』
Amélie-Les-Crayons "Méli-Mélo"

  2002年から珠玉のスタジオアルバム4枚、ファンタジーあふれるライヴDVD2枚、もうアメリー・レ・クレヨンの魅力は知り尽くされているでしょうが、前作『海にいたるまで』のツアーのあと、息抜きにベスト盤を作ろうか、という話があったそうです。デビュー10年を超えたのですから、ベスト盤というのはごく自然な(ショービジネス的な)なりゆきです。ところが、アメリーさんはそれを嫌がって、やるんだったらアルバム既収録のヴァージョンは外して、未発表&レアだけでということにしたのです。アメリーの代表的な楽曲を未発表ライヴと、別テイク、ラジオセッション、別アレンジの再録などで集めた15トラックに加えて、私のインタヴューの時も若い日のアイドルだったと言っていたブールヴィル(アメリーの芸名の元「レ・クレヨン」の歌手)の「アイルランドのバラード」のカヴァー(実はこのトラックが私は一番好きです)、敬愛する童話シャンソン(ファビュレット)の大御所アンヌ・シルヴェストルとのデュエット「疑う人々(Les Gens Qui Doutent)」(シルヴェストル作)、そしてアメリーの同時代人の軽妙シンガー・ソングライター、アルドベールとのデュエット「いま何時?(Quelle heure est-il ?)」、さらにリミックス1トラック、インストルメンタル1トラックの合計20トラックのCDアルバム。シンプルなディジパック装(アメリーにしては凝らない装釘など初めて!)の作りで、黒い「目出し目隠し」(こんな日本語ないですね)のアメリーさんのいたずらっぽさが光る素敵なフロントカヴァーです。
 「メリ・メロ」とはフランス語の話語表現で、スタンダード仏和辞典では「ごたまぜ、ごった返し」という訳語が載っています。たしかにゴチャゴチャで、泉のように溢れ出る想像力であれもこれものアイディアをこなしてしまうアメリーさんの本領がよく出ています。でも基本的にステージの人。あのステージでの八面六臂のハチャメチャもさることながら、しっとりとポエジーを体現してしまうアメリーさんの表現は、絶対にライヴにまさるものはありません。
 不思議な力を持った少女の声、語るストーリーがふわふわしていたり、夏の雨上がりのように涼やかだったり。しあわせに近いですよ。

<<< トラックリスト >>>
1. LA MAIGRELETTE & LE GROS COSTAUD (LIVE)
2. LES PISSOTIERES (LIVE)
3. MON DOCTEUR (REVISITE)
4. TA PETITE FLAMME (REVISITE)
5. LA BALLADE IRLANDAISE (BOURVIL COVER)
6. TOUT DE NOUS (LIVE)
7. CHAMELET (REVISITE)
8. CANNIBALE (REVISITE)
9. PORTES !
10. LA GARDE ROSE D'ELIZABETH (LIVE)
11. LES GENS QUI DOUTE (ANNE SYLVESTRE) (avec ANNE SYLVESTRE)
12. LE P'TIT CAILLOU (REVISITE)
13. LE LINGE DE NOS MERES (REVISITE)
14. LES FILLES DES FORGES (LIVE)
15. LE DANSEUR DE LUNE (REVISITE)
16. QUELLE HEURE EST-IL (ALDEBERT) (avec ALDEBERT)
17. LES JOURS DE NEIGE EN VILLE (LIVE)
18. LES COUSSINS ?
19. TA P'TITE FLAMME (REMIX)
20. TA P'TITE FLAMME (INSTRUMENTAL)

AMELIE LES CRAYONS "MELI MELO"
NEOMME CD OP19AC3250
フランスでのリリース:2014年6月23日

(↓)"MELI MELO" MIXTAPE


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