2013年5月17日金曜日

マリクリスティ〜〜〜〜〜ヌ!

Claude Nougaro
"Je suis sous" (1964)
 作詞:クロード・ヌーガロ
 作曲:ジャック・ダタン
 唄:クロード・ヌーガロ

 これ、カラオケ見つけたら、今年の忘年会で歌いたいと思ってます。酔っぱらいの歌です。タイトルの "Je suis sous"は直訳すると「俺は下に」という意味で、ロメオとジュリエットのロメオのように、愛する女(この場合、マリー=クリスティーヌ)のバルコニーの「下に」いて、和解の嘆願をするんですが、"sous"は「スー」と読み、この同じ「スー」という読みで "saoûl"という言葉があり、これは酔っぱらってるという意味なんです。だから、「スー、スー、スー」とろれつが回らず同じ言葉を繰り返しているのは、酔っぱらってることを表現しているんですね。
 同じように歌の中で繰り返される 「ロン、ロン、ロン」(rond, rond, rond)の "rond"も,本来は「丸い」という意味ながら、俗語では酔っぱらってるという意味。さらに「ブーレ、ブーレ、ブーレ」(bourré, bourré, bourré)も本来は「一杯に詰まった」(この歌詞の中では向上心で胸がいっぱいになった)という意味ながら、俗語では酔っぱらってるという意味なんです。こういうのがわかると、この酔いどれシャンソンは一級の詩作品みたいに思えるでしょ。
俺はロメオのように
スー、スー、スー
おまえのバルコニーの下にいる
オオ、オオ、
マリー・クリスティ〜〜〜ヌ
俺は殺し屋のように
犯行現場に戻ってきたんだ
だけど俺たちの愛は死んじゃいないだろ?
なあ、死んじゃいないって言ってくれ

二人が別れてからっていうもの
俺は誓って言うが、俺はずいぶん変わったんだ
おまえは俺のこと見間違えるかもしれない
なにしろ俺は酒をやめたんだぞ

俺は後悔に苛まれて
ロン、ロン、ロン
俺は卑劣漢さ
オオ、オオ、
マリー・クリスティ〜〜〜ヌ
お願いだから、もう一度だけ
おまえの思いやりを見せておくれ
もう一度だけチャンスをおくれ
なあ、やり直そうよ

俺にだって、いいところはあるんだ
なあ今よりも俺を暗くさせないでおくれ

俺は向上心でいっぱいだ
ブーレ、ブーレ、ブーレ
俺は仕事も見つけたんだ
オオ、オオ、
マリー・クリスティ〜〜〜ヌ
これは真剣なんだ
俺の大事な踏韻辞典だって捨てちまった
もうシャンソンなんか作ってない
俺は真面目に働いているんだ

おまえが嫌いだった俺のダチ連中
やつらは今や俺抜きで遊んでいる
ほんとかどうか知りたかったら
やつらをここに連れてきたから
おまえから直接聞いてみたらいい

俺たちはロメオのように
スー、スー、スー
おまえのバルコニーの下にいる
オオ、オオ、
マリー・クリスティ〜〜〜ヌ
耳を塞がないでおくれ
この最後の叫びに
俺の大切な宝物、お願いだから
答えておくれ、答えておくれ
マリー・クリスティ〜〜〜ヌ
俺をひとりにしないでおくれ

ああ、そうかい、おまえがそうなら
俺はまたぐでんぐでんに酔っぱらいに行くぜ!
 (↓これは1964年当時のテレビ映像で、酔漢仲間にジャン・ヤンヌとサッシャ・ディステルが参加している。アルコールに対して昔はみんな本当に寛容だったんですね。私は今も寛容ですけど)


(↓これは1964年オリジナルからずいぶん経った、2000年頃の映像かな? このブラス隊とオーディエンスの良いノリがたまらないですね。)

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