2010年11月16日火曜日

愛するハーモニー



FAMILY OF THE YEAR "OUR SONGBOOK"
ファミリー・オブ・ザ・イヤー『アワ・ソングブック』


 タイトルの出典は1971年のコカ・コーラ社のキャンペーンソング"I'd Like To Teach The World To Sing (In Perfect Harmony)"の日本語題で、ザ・ニュー・シーカーズ等が歌っておりました。今聞くと虫酸が走りますが。
 ファミリー・オブ・ザ・イヤーは加州のバンドです。中心人物のジョセフとセバスチャンのキーフ(Keefe)兄弟はウェールズ系らしいです。この「キーフ」という名前に、フランスの某音楽雑誌は(こじつけで)反応して、現代フランスの若い衆言葉である「Kif」(キフ = 好き,愛する)と同じ語幹を見取って,新しい時代の「ラヴ&ピース」にふさわしい名前である,なんて言うんですね。
 第一音を聞いた時から,けばいフラワー・ペインティングを施したVWミニバスで行く、陽光あふれる加州で出会うインド綿チュニック着た長髪族男女が,半分眠ったような目で微笑みかけてきて、花をめしませ、めしませ花を、なんていう世界へトリップさせる音楽です。スティーヴン・タイラー(エアロスミス)は、このバンドを称して「アシッドをやっているママス&パパス」とたとえました。まさに。この男性4人+女性2人のアコースティック・バンドの第一の武器は混声コーラスハーモニーです。ママス&パパス,ビーチ・ボーイズ,(転向後の)フリートウッド・マック、(転向後の)ジェファーソン・スターシップ,すなわち加州のポリフォニー。
 2009年に加州のWashashore Recordsというインディーレーベルから出た4曲入りEP"Through the Trees"とフルアルバム"Songbook"からセレクトした14曲を、フランスのインディーレーベルVOLVOXが新しいジャケットアートで包んで2010年11月にリリースしたのが,この『アワ・ソングブック』というアルバム。
 この2〜3年,MGMTやアーケイド・ファイアの台頭をうれしい思いで見ていた爺のような愛サイケの人たちが飛びついたアルバムです。これは決してザ・ニュー・シーカーズあたりにノスタルジー持っている人たちが買ったアルバムではありません。RADIO NOVAは夏頃からエレクトロ・サイケな "PSYCHE OR LIKE SCOPE"をヘヴィー・ローテーションで、このバンドをいち早くフランスで紹介しました。もろビーチ・ボーイズな"SUMMER GIRL"も夏の終わりに聞いたら涙ものでしょう。来年夏,ROCK EN SEINEに来てくれたらなあ、と密かに期待しております。

<<< トラックリスト >>>
1. LET'S GO DOWN
2. INTERVENTION (STAPLE JEANS)
3. STUPIDLAND
4. PSYCHE OR LIKE SCOPE
5. FEEL GOOD TRACK OF ROSEMEAD
6. SUMMER GIRL
7. THE PRINCESS & THE PEA
8. CASTOFF
9. TREEHOUSE
10. SURPRISE
11. CHUGJUG
12. THE BARN
13. NO GOOD AT NOTHING
14. HERO

FAMILY OF THE YEAR "OUR SONGBOOK"
CD VOLVOX VOL1008
フランスでのリリース:2010年11月


(↓ "STUPIDLAND" オフィシャル・ヴィデオクリップ)


PS : 2011年1月10日。
Radio Novaで昨秋おおいに流行った「サイケ・オア・ライク・スコープ」のオフィシャル・クリップが完成。往年のニュー・エイジっぽさが...。マジなんでしょうか。

Family of the Year: Psyche or Like Scope
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