2009年2月6日金曜日

寒い日にふわ〜っと暖まる音楽



 ここも事務所から歩いて10分ほどにある「サテリット・カフェ」です。初めて行きました。ジル・フリュショーのブダ・ミュージックからCDを出しているレユニオン島のグループ「ティパリ」です。とは言っても島のバンドではありません。島出身者は島娘コリンヌと島娘ジゼルだけ。コリンヌ(と相棒のベーシストのケヴィン)の作るレユニオン望郷の歌をパリ在住のミュージシャンが集まってトロピカル・ジャジーな味付けで展開する、とてもフルーティなバンドです。
 というわけで、島出身者たちが集まってディープな島音楽に酔いしれるというコンサートではありません。インド洋に浮かぶ小さなレユニオン島が、マダガスカル、アフリカ大陸、中東、インド、中国などの人と文化を混ぜて凝縮したような土地柄のせいか、今夜の客層もパリ的にカラフルで、トロピな人、アフロな人、アジアな人、白人な人、老若男女さまざまでした。
 コリンヌもよく混ざったクレオール娘で、褐色の肌で大きな瞳(チャーミングな垂れ目)ながら中国アジア系のいいところがよく出た華やかな女性。ハイビスカスやヒマワリみたいな花びらの大きな花を思わせます。ケヴィンがジャズベーシストなので、アレンジはリズムが複雑だったり、インストの聞かせどころを必ず挿入してあって、ジゼルのヴォカリーズもジャズ風になったり、メロディカの長〜いアドリブがあったり、とても都会的で洗練されたアンサンブルでした。きっちりしている、と言うか、ハーモニー/リズムの狂いゼロの腕達者バンドでした。その代わり土着性やディープな伝統もゼロなんですね。それはそれで、パリ・トロピカルの典型みたい、と思いました。誰にでも踊りやすいし。

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