2008年8月3日日曜日

ニッサ・ラ・ベッラ



 先週1週間ニースにいました。娘と奥様と犬様での4人の休暇など、本当に何年ぶりのことでしょうか。テレビの報道では、この夏は不況、購買力低下、原油高騰などさまざまな理由で、「フランス人の45%がヴァカンスに出ない」という驚くべき数字が告げられていました。あのヴァカンス好きな国民が「高すぎて行けない」と言っているのです。ホテルや貸しレジデンスやキャンピングなどの宿泊施設の予約が埋まらず、レストランの利用客は激減していて、ベンチや芝生の上でサンドイッチやスーパーで買う出来合いの食料で食事するヴァカンス客が増えています。爺たちも一週間の滞在中レストラン利用は1回だけでした。レストランはどこも空いていました。みんながそういう倹約傾向なので、なんか「お高級なリゾート地」という感じが皆無で、われわれにはかえって過ごしやすい感じがしました。
 まあ、私たちはもう何度か来ているので、どこを観光するわけでもない、ただただ美しい紺碧海岸と恵み深い太陽さえあればいい、それに加えて爺にはパスティスや冷たいビールや冷たいロゼがあればそれでいい(オリーヴもあればもっといい)、それにちょっと加えて爺はビーチに美しい女性たちが横たわっているのを目を細めて見ているだけでいい、これだけでどれだけ幸せでありましょうか。
 毎朝テレビの天気予報を見て、パリは雨、ブルターニュは荒れ模様、西海岸は曇り低温....なんていうのを見ながら、われわれ家族は意地悪くウッシッシッシ....と笑うのでありました。夏に太陽が常にあるところ、それはフランスではコート・ダジュールしかないのです。ここはグラン・ブルーなのです。大いなる青なのです。天気予報で他のところがたとえどんな天気でも、ここには毎日毎日大きな太陽マークしかつかないのです。ほんとに毎日毎日こんなとは、おソレイユいりました!

 ニースのオクシタン・バンド、ニュックス・ヴォミカのルイ・パストレーリが自宅に招待してくれて、おばあちゃん自慢のニース風ラヴィオリとラザーニャをごちそうしてくれました。ルイは今、マッシリア・サウンド・システムのタトゥーのプロデュースでソロアルバムを録音中で、そのレコーディングはニースから200キロ離れたラ・シオタのタトゥー録音スタジオで行われています。リュックス・Bの死のあとも、マッシリアはツアーを続けていて、タトゥーもいつもラ・シオタに居られない状態なので、録音は断続的に進められています。その最中に私たち一家がニースに来ると言うので、ルイがわざわざニースまで戻ってきてくれて、家で大餐会を催してくれたというわけです。いやはやかたじけない。
 その晩はタトゥーの息子マリウス(11歳)も来ていて、タトゥーと奥様マニュが忙しいので、しばらくルイ家に滞在するのだそうです。ルイの娘ミレーナ(13歳)と爺の娘セシル・カストールは同い歳なので、すぐに仲良しになりました。マリウスは年下のくせに博識で、口がものすごく達者で、さすがTchatche(チャチュ)の大名人の息子、と爺は舌を巻きました。ここだけの話、たぶんマリウスとミレーナは密かに好き合っているんだろう、と見ました。まぶしい。美しい。
 

←タトゥーさんの息子さん、ルイさんの娘さん、爺の娘

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