2008年2月24日日曜日

万事シラキューズ



 ←パリ・マッチ誌2月20日号の表紙です。白スーツ,白パナマ帽で見慣れているサルヴァドールがこの時はダークシャツと黒シルク帽です。これは2001年の撮影で,かのアルバム "CHAMBRE AVEC VUE"のビッグセールス(150万枚)があった頃のもので,撮影は実の息子ジャン=マリー・ペリエです。サリュ・レ・コパン誌などのフォトグラファーとして知られたジャン=マリー・ペリエは,フランソワーズ・アルディの最初の恋人だった人でもありますが,サルヴァドールとの親子血縁関係はずっと秘密にされていました。1982年にサルヴァドールはジャン=マリーを実子として認め,ペリエはそのことを2001年発表の自伝で公表します。しかし,この二人は決して和解することはなかったそうです。そういう複雑さを含んだサルヴァドールの2001年の表情です。
 笑ってばかりいた人間ではない,ということは顔写真や映像を見てもはっきりしているのですが,この一週間,記事原稿のためにいろいろ資料を読んでいくにつれて,この人の厳しさばかりが目につきます。
 原稿はさっき編集部に送りました。その中でちょっと,ジャズギタリスト/ビロードヴォイスのクルーナー/お笑いの大スターという3点で共通するアンリ・サルヴァドールと植木等を比較してみました。60年代テレビのために,音楽アーチストから極端なお笑い芸人に大変身するところは,この二人ほんとうに良く似ていると思います。魅惑の美声歌手でもあった植木等は,ジャズ・バラードを吹き込んでいたりしないのでしょうか? またサルヴァドールも "Chambre avec vue" がなかったら,お笑いの人としてこの世を去っていたでしょうし。

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